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2009年3月12日 23:25
現実逃避
カテゴリー:雑談
ブルムバーグのコラムニストであるマシュー・リンさんのコラムを読みました。
取り上げられた題材はRBSの前CEOフレッド・グッドウィン氏とドレスナークラインウォート従業員。リン氏は両者を現実逃避していると斬り捨てています。
どちらも見事な批判でしたが、あえて後者への批判について書きます。ドレスナーの従業員のうち250人は買収先のコメルツ銀行を相手取り、減額されたボーナスの回復を求めて争おうとしています。彼らの言い分はこうです。
「我々はドレスナークラインウォートで働いているが、損失に対して責任はない。損失につながったポジションについて承知していなかったし、知る術もなく、ポジションを変更する手段も持たなかった」
要するに、損失は他の部署のものであって、我々の部署は儲けていた。昨年度の働きの対価として受け取るべきボーナスを他部署の損失に影響されては堪らないということです。
日本の会社に勤める私には、いや私だけでなく多くの方がこの言い分には違和感を覚えるのではないでしょうか?日本のボーナスは給与の後払い的性格が強く、基本月給をベースに支給されています。勿論査定期間内の貢献度即ち目標達成度合いによって多少の差はつくものの、その格差に驚くほどの差はつきません。また、一部の企業を除き一般的には労使交渉の場において単年度の収益の増減によりボーナスの支給額に波が出来ないようにと、収益の多寡によらず一定の支給が出来るようにとコントロールされます。
しかし、彼らのボーナスは純然たるインセンティブとなっている為、会社全体が儲かっていても個々の目標達成度でボーナスはゼロにもなる代わりに契約した年棒の数倍を支給されることもあるそうです。従ってその年に自分が目標を大幅に上回る収益を稼いだにも関わらずボーナスが少なければそれはある種死活問題と言う事になります。こうした給与体系の企業は見事に単年度評価のため、今年稼げた者であったとしても翌年大幅な目標未達となれば解雇というリスクにも晒されているからです。
この点において、ドレスナーの250人の言い分に理解を示すべき点はあると思いました。しかし、ボーナス予算はあくまで年度内収益のなかから割り振られるお金であり、企業全体として赤字の時にインセンティブのための予算を通常通り計上することはどうしたって不可能のように思われます。
またここでリン氏が書かれているように従業員は「会社」に属し、会社というものは総合体として存在するのであり、他部署の損失は知らないでは済まされない。責任を負いたくないのならば組織に属さなければいい。という批判は至極尤もであります。
彼らもまた、「俺はいくらもらえるんだ」式の発想にあるような気がします。労働にたいする対価の発想に違いがある点は認めるとしてもやはりこのままではいけないような気がします。


