2009年2月11日アーカイブ
-
2009年2月11日 02:09
金融安定化策と景気対策法案
カテゴリー: 米国の政治
今日はどのニュースを見ても
「金融安定化策」「景気対策法案」という文字がおどっていますね。
この二つ、ともすると混同しそうになってしまうのですが別物です。
私自身もときどき立ち止まって、"これはどちらだったかしら?"
なんて考えることがあるので、この機会に少しまとめておこうかと思います。
■金融安定化策
これは、2008年10月、ブッシュ政権時代に成立したものです。
最終的には成立しましたが、
それまでに一波乱も二波乱もあったのを覚えている方も多いでしょう。
NYダウが昨秋に史上最大の下落(777ドル安)を記録したのも
金融安定化法案を米下院が否決したことが引き金になっていましたよね。
正式に成立した金融安定化策のもと
不良資産救済プログラム(TARP=タープと呼ばれているようです)に
7000億ドルがあてられました。
そのうちの半分の3500億ドルは、経営の悪化している金融機関に
注入されることがブッシュ政権下で決まり、
実際に大手金融機関などに既に注入されています。
名前のとおり、まさに「金融」市場を「安定」させるための対策といえます。
ただ、国民の税金を使って資本注入を受けた金融機関のトップが
高額の報酬を受け取って、国民感情を逆なでしたり、
金融機関ではない米自動車大手(ビッグスリー)のつなぎ融資に
TARPの資金が使われたりと、その使途をめぐるニュースは絶えません。
さて、問題は残りの3500億ドル。
この残された貴重な3500ドルの活用法について
数時間後にガイトナー財務長官が明らかにする予定です。
(日本時間11日4:30、現地時間10日14:30)
おもに、金融機関の不良資産買い取りに関する決定に
市場の関心は集まっているようです。
■「景気対策法案」
こちらはオバマ政権のもとで、これから成立する見込みの法案です。
そのまんまですが、景気を良くするための法案です。
すでに下院では、民主党の賛成多数で8190億ドル規模の
景気対策法案が可決されています。
そして今夜、上院での採決が行われます。
ちなみに、下院と上院の法案の概要はこんな感じです。(ロイターより引用)
◎下院(8190億ドル規模)
*雇用創出に向けた建設などの緊急支出。教育関連投資や
食糧支援プログラム拡大のための支出も含む。(3580億ドル)
*一時的な所得税減税、再生エネルギー使用を促す税優遇措置など。(2750億ドル)
*失業中の医療保険継続や医療関連の情報技術向上のための支出。(480億ドル)
*失業保険拡充や低所得層や児童向け支援の支出。(460億ドル)
*ブロードバンドインターネットアクセス促進やクリーンエネルギー活用
および効率的なエネルギー使用を促進させるための投資。
低所得世帯医療保険コストの州政府負担軽減に向けた支出。(1000億ドル)
◎上院(8270億ドル規模)
*住宅取得に伴う1年間の税控除の対象を、初回の住宅購入から
住宅購入すべてに拡大。住宅購入者に対して1万5000ドルあるいは
購入価格の10%相当額のいずれか低いほうの税額を控除する。
対策規模は最大355億ドルだが、算出方法によって小さくなる可能性がある。
*自動車の販売促進に向けた110億ドルの税優遇措置。
08年11月12日から09年の間に購入した新車のローン金利の支払いを
税控除の対象とする。
*本来、高所得者を対象に導入された最低代替税(AMT)が中間所得者
の負担とならないように、中間所得者をAMTの対象から1年間外す。
対策規模は700億ドル。この修正条項は下院案には盛り込まれていない。
景気対策法案は、上院で可決したあとには下院で通った案と一本化する作業が待っています。
ここでの難航も予想され、成立に関してはまだ流動的なようです。
ただ、オバマ大統領は16日までの成立を目指しているとのこと。
金融安定化策と景気対策法案
それぞれの内容と株式市場の反応に注目ですね。
【予定】
11日午前2時(現地時間の10日正午)までに景気対策法案採決
↓
11日午前4時半(現地時間10日午後2時半)に
金融安定化策についてガイトナー財務長官の証言


