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2009年1月23日アーカイブ


    為替 乱人

    2009年1月23日

    Goodbye The biggest umbrella

    米シティグループが先日、これまでの組織を大幅に改正、2事業部門体制とすることを発表しました。

    トラベラーズ・グループとシティコープの合併から10年余。

    グラス=スティーガル法をも乗り越えさせた金融コングロマリットへの夢は結局、幻となってしまいました。

    サンフォード・ワイルの想いは如何ばかりでしょう…

     

    シティ誕生時、同グループは、生命保険、損害保険、カード、ノンバンク、銀行、証券、資産運用の各部門からなっていました。

    2000年以降には、生損保のトラベラーズを結局手放し、直近では、その組織もグローバルカード、コンシューマー・バンキング、グローバル・ウェルス・マネジメント、インスティチューショナル・クライアントの各部門からなる体制へと大きく変貌していました。

     

    今回の2事業部門体制への移行により、グローバル・ユニバーサル・バンキング業務が中心となる「シティコープ」と、問題資産や非中核業務を集約した「シティホールディングス」に分割、実質解体されることになったシティ。

     

    この辺りの評価は、今現在も数多くなされているでしょうし、またこの先もなされるでしょう。

     

    特に、国内では、シティと縁が深かった(深くなってしまっていた)金融機関への、興味本位な報道や憶測がこの先も流れることでしょう。

    情報は確かに大事です。ただ、興味本位に騒ぎ立てるのも問題でしょう。

     

    ここでは、そうしたことより個人的に気になった点を2つだけ、書き留めておきたいと思います。

     

    まず、今回のシティホールディングスに属する事業部門は、旧トラベラーズ・グループの事業が殆どであるということ(一部、プライベートバンキング部門だけは、グローバル・インスティチューショナル・バンク部門へ属するらしい)。

    リテール向け証券としてのブランド、スミス・バーニーをライバル、モルガン・スタンレーへ実質的に売却した時点で同業務は、シティにとっては最早中核事業ではなくなってしまったということであり、この先のシティは、旧シティコープの銀行業務を中心とした金融機関になるということに他なりません(それも、旧シティコープにはなかった投資銀行業務を加えた格好で)。

    トラベラーズ、プライメリカ、シェアソン・リーマン、ソロモン、そしてスミス・バーニー…

    結局、旧トラベラーズは消滅したも同然でしょう。

    改めて、ワイルの想いは如何ばかりでしょうか?

     

     

    それから、これは殆ど記述されることはないでしょうが…

    上述した、非中核業務とされた部門にも優秀な人材はいる(いた)ということ(勿論、日本国内においても)。

    ここから、さらに人材の流出や流動化が起こることでしょう。

     

    最近も国内では、かつてシティに関わった人物の、欧州系金融機関への移籍報道がありましたし、某アジアの巨大SWFからの後ろ盾をもって、新たなウェルス・マネジメントを中心としたブティック型証券を設立した人物達も、旧トラベラーズの出身です。

     

    巨大コングロマリットへの夢は潰えたかもしれません。

    しかし、彼らのノウハウが活かされる場は、直ぐ近くに広がっているようにも思います。

    彼らの活躍を祈るばかりです。